高校二年の春が始まる。

クラス替えも終わり
仲のいい友達と一緒になって盛り上がる。

一番嬉しかったのは
アイツと同じクラスになれた事。

放課後
つまらない用事を終わらせ
教室に戻ってカバンを持ち
帰ろうとしていると

窓際にひとり立ち
優しい顔をしている男子を発見。

「拓真」
その名前を呼ぶと
笑顔が一瞬でいつものクールな顔に戻る。

「軍団と一緒に帰ったと思った」

「悪かったな」

開いた窓からの柔らかな風を受け
振り返る拓真の顔は綺麗だった。

「何してんの?」

「別に」

こんなに綺麗な顔してるんだから
もう少し愛想よくすりゃいいのにって、昔から思っている私。

まぁ
このクールさが
売りといえば売りなのか。

菅原 拓真。

私のいとこ。