逢いたい~桜に還る想い~


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重い沈黙の中……郁生くんはあたしが落ち着くまで、

あたしの頭を胸のところに引き寄せて、背中をとんとん撫でてくれた。


まるで、小さい子にするみたいな動作だけど……

少しずつ、高ぶった感情が戻ってくるのが分かった。


あたしは規則正しいリズムの中、

───熱のせいかぼんやりとしか記憶にない、寝込む前の出来事を、

なんとなく思い出していた。



そう、───この手………。


あたしを癒してくれる、あったかい手。


ずっとこのままでいたくなるような、優しいぬくもり。



なんで、なの………

なんで、郁生くんなの……



「───トーコさん……」


「……ごめん、大丈夫……ありがと………」


郁生くんの声に我に返って、あたしはそっと離れた。


「変なこと、言った……ごめん……」


「……謝ることじゃ、ないよ」


「夢なのに───夢なのか、現実なのか、……分からなくなるくらい、リアルなの……。

まるで、実際にあったことのような………」