逢いたい~桜に還る想い~


「───ここで、食べれば?」


「え? ……でも……」


「俺が2階行く。……トーコさんはしっかり食べて、早いとこ治しな」



慌てて振り向くと、

無表情で立ち上がり、あたしとは別のドアから廊下を出る郁生くんの姿が目に入った。


「あ………」


あたしはとっさにお皿を置くと、

階段を上がりかけた彼のトレーナーの裾を掴んでいた。



予想外のあたしの行動に───郁生くんがびっくりして振り返る。



「………トーコさん?」


「ごめんね! ごめん……でも、自分でもよく分かんないの……」


「………」


「郁生くん、優しいのに、沢山心配してくれたのに、ごめん!

嫌な気持ちにさせるつもりないのに……ごめんね……」


言いながら───ここのところ涙腺が弱くなってしまったのか、

涙がぽろぽろこぼれてしまった。