逢いたい~桜に還る想い~


「………トーコさん……さ……」


「なぁにー?」


「んー……ホントに、もう大丈夫……なの?」


「ん? 何? 熱??」


「いや……花見の時も……熱出した時も……

いつものトーコさんじゃないみたい…だったから……」


「───……」


ソファの背もたれにぽすんっと顎を乗せて、こちらを振り返る郁生くん。


あたしは───……その視線を逃れるように、レンジのドアを開けた。



「うん……なんか、熱でね……あまり覚えてないんだー。

花見の途中から、実は熱出てたのかもね!」


「………」


空々しいあたしの返事に、郁生くんは無言だった。



さっきまでの、ほんわかとした空気が変わってしまったことは明らかで、

あたしは居づらさを感じて、
「じゃ…」とそのままお皿を持ち、逃げるように2階へ上がろうとした。



すると…………