逢いたい~桜に還る想い~


「あ゛ーっ……そうだぁ…」


嫌なこと思い出した、と言わんばかり、

迫りくる現実に、あたしは頭を抱えた。


「春休み、終わっちゃうなー……この時期は夢を見るんだよね」


「ん? ……どんな?」


「必修単位の授業、登録し忘れてさぁ、

───いざ卒業の時になって、『しまった!』って気づいて、結局仕方なく留年する夢」


冷蔵庫からシチューの残りを取り出しながら、はぁっ……と盛大にため息をつくと、

郁生くんはそんなあたしを見て、小さく吹き出した。


「もー……切実なんだよ?

必修以外にも、別の教職単位も取ってるから、訳分からなくなるんだもん……」


あたしは、電子レンジのボタンをピッピッと押して、振り返る。


「明日から新入生のガイダンス始まるから、サークルの方にもちゃんと行かなきゃだなぁ……

バイトも替わってもらっちゃってるし、いつまでも寝込んでる場合じゃないよねぇ」


あれこれ考えて、独り言のように呟いていると、───