逢いたい~桜に還る想い~


「─────っっ!!」


それを耳にした途端───言い様のない胸の痛みと苦しさを感じた。


な……に……これ………


「すみませんっ!」と慌てて立ち上がる母親と、「お怪我ありませんか?」と声を掛ける店員さんを目のあたりにしながらも、

……何か、おかしな幻影に囚われていく。




怖い……怖い………




………生まれてきては、いけない子…………


これは、魔物の子………泣いている、この口を塞いで…………




(早く───殺さなきゃ!!)





「───トーコさん………? 顔真っ青だよ……?」


「………え……」


あたしの異常な様子を心配した郁生くんの声に、現実に引き戻され───

真冬だってのに、嫌な汗をかいているのに気づいた。


「あたし…………」


「………トーコさん、いったんお店出ようか」


郁生くんは席を離れ、店員さんに声を掛けると、

すぐに戻ってきて、あたしのコートと鞄を持ってくれた。



「行こう。……歩ける?」


「う……うん」