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午前中に蝋纈染めと和紙すき、胡桃絵付けを体験したあたし達は、少し遅めのお昼休憩を取ることにした。
「はー、楽しかったぁ!」
うーん!、と伸びをするあたしに、
「染め物の出来上がり、楽しみだね。いつ届くんだったっけ?」
「うーんと───2月くらいだったかな?」
「そっか、待ち遠しいな。
午後イチはどこ行こうか?」
お冷やを飲んだ郁生くんは、コップを置くと“にじいろの郷”のマップを広げた。
そういや………
「ね、郁生くん、どんな感じにしたの? 節子さんに染料の混ぜ合わせ頼んでたみたいだけど」
「あー………なーいしょ。お楽しみに」
「えー、気になるなぁ」
蝋や染料の入った入れ物越しに、ちょっと立ち上がって覗き込めば見えなくはなかったんだけど、
律儀に郁生くんとの約束を守って、見ないようにしていたんだ。
なんだろ………気になる………
「ねぇ、染料の……」
言いかけた、その時────
ガチャーンッ!!
お皿の割れる音と共に、店内に赤ちゃんがけたたましく泣く声が響いた。

