「クッ、良く言うよ、しばらく俺のこと知らんぷりしてたくせに」


そんな雄仁に微笑んで、あたしも真似て横にゴロリと並ぶ。


「男の隣に寝っ転がるなよ。襲うぞ?」


笑い口調の雄仁。


「……あたしさあ?」


「なんだよ」


スルーしたあたしに、肩透かしをくらった感じの雄仁が頬杖をついてこっちを向いた。


「───誰にも言えない恋をしてる」


……なんで、こんなこと言い出したのか、自分でも分からない。


打ち上げでお酒入っていたならともかく……


「こんな真面目話、笑う?」


言い出した手前、転がった体勢のまま、ちらっと視線を向けると。


「全然」


逆光で表情はわからないけど、

少しぶっきらぼうでほんとは優しい言葉に、
あたしはなんとなく安心して続けた。


「一度は捨てようって思った。
あたし達には柵(シガラミ)が多すぎる」


血の繋がりも……輪廻の縁も……

あたし達に1000年経ってもつきまとう罪と罰も……


「いつも周りも不幸にする。誰も祝福なんてしないのに」


前世も、その前もそうだったように………