た……助かった。
「そうだよ、もー。びっくりしたぁ。
一ヶ谷君、声でか過ぎでしょ、ねえ?」
「一ヶ谷、バカ? こんなとこ来てナンパしてんじゃないよ、ったく。こっ恥ずかしい。
しかも、あたしのさくらさんに気安く触んないでよね」
倉田さんに続き、未桜ちゃんもバッサリ切って、あたしと彼の間に割って入った。
「“さくら”さんって言うんだ? うわっ、めっちゃ可愛い」
立ちはだかる未桜ちゃんから、あたしを覗き込もうと、ピョンピョンしてる。
「違うわよ、バカ。それは…あだ名みたいなもん。
安西が話してたでしょ。安西のイトコさんだよ、バカ」
「あ、あー、“トーコさん”?? そうなの??」
未桜ちゃんに『バカ』を連呼されてても、全然気にしてない。
ツワモノ………。

