逢いたい~桜に還る想い~


「────っっ!!」


あたしは、ベッドの上で跳ね起きた。


夢と現が交錯し、一瞬、自分が何なのか戸惑った。


そして───ぐるっと周囲を見回し……

薄暗くなっているものの、

いつもの自分の部屋であることに気づいて、ほっとため息がこぼれた。



今のは……夢………



くらっ……と目眩を感じて、また布団に倒れ込むように転がる。


頭が痛い。
汗ばんだ身体が熱い。



「………っ……」


ふいに涙が出てきた。



夢の中の少女──“あたし”──の手は、



……“血”で、濡れていた。



そしてその手には、古めかしい小刀のようなものが、しっかりと握られていて………



怖い……なんで、こんな夢を見るの?

なんの意味があるの?



場所は────


あの、桜の泉のほとり………