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『ちょっと寒いね』と、工場脇の自販機であたしはミルクティーを、郁生くんはカフェオレを買って、
車の中であったまっていると……
「なんか、この際聞いてみたいんだけど………トーコさんの方は、気になってない?」
郁生くんが、ふとそんなことを聞いてきた。
「んー? ……なぁに?」
「俺、トーコさんの誤解をいいことに、嘘ついてたから……」
誤解? 嘘?
「───前世(カコ)のこと?
んー………あれは、嘘ついたんじゃなくて、あたしが思い出してないから、……知ったら傷付くから、黙ってくれてたんでしょう?」
「じゃなくて……。
杏崎のこと……“彼女”だって」
郁生くんがバツの悪そうな表情で、「ごめん」って言うから。
「あぁ───しかも未桜ちゃん、郁生くんのこと好きだったしね。
郁生くん、告られたんでしょ? だいぶ前の話だけど」
しれっと、そんな爆弾発言をすると、
「───ぶっ!」
思わずカフェオレを吹き出しそうになった郁生くんが、かなり慌て始めた。

