逢いたい~桜に還る想い~


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小さな泉のほとりと、そこに咲く桜の老木を見た後から、

───自分が上の空なのは、自分でよく分かっていた。



意識があそこから離れない。


目に焼き付いた景色が、いつまでも消えない。


でも、そこに感じるのは、“感動”とかではなく、

───むしろ“苦しさ”で。





 探していた


    逢いたかった


  苦しい


    ───忘れたい





矛盾とも言える正体不明なカケラが、グルグルと渦巻く。



………気持ち悪い…


………目眩がする…



なんとか自分の部屋にたどり着いた時には、もうクタクタだった。