「ちょっと……こっち……」
通学のこんな時間帯に、目立っちゃう。
あたしは観念して、アーケードの並ぶ通路の柱の影に、彼を引き寄せた。
「………で。なに?」
さっきの瞳が深く胸に突き刺さり、涙が溢れてしまいそうで、
目を逸らしたままのあたしは、わざとつっけんどんに聞いた。
「……トーコさんのバイト終わったら、連絡ほしい」
「なんで……?」
「話したい」
「……何を?」
「いろいろ」
「……話したくないって言ったら?」
「話さなくていいから、聞いて」
「……聞きたくないって言ったら?」
「………。────待ってるから」
「…………」
────こんな、強引な郁生くん、初めて……

