逢いたい~桜に還る想い~


「────ねーえ、まだ起きてんの?」


突然……ドアの外から声が、ノックの音と共に響いて───思わず、心臓が縮み上がった。



「……おかー…さん」


「あれ? 柊子もいるの?」


ドアが開いて、母親が顔をぴょこっと覗かせた。


「明かりがついてるし、なんか音が聞こえてくるから……。

まだ起きてるの? そろそろ寝たら?」


「………あ……」


あたしが思わず返答につまると、


「この前の試験で解らなかったとこ、トーコさんに教えてもらってたんだ。文系はイマイチ駄目でさ。

………そんなこんなしてたら、そのうちまったり雑談になっちゃった」


郁生くんがさらっと答えた。


「あ……ほんとだー、もうこんな時間だねぇ?」


あたしもなんとか合わせて、その場を取り繕う。


「郁生は来週から秋休みで時間あるんだし、柊子はそろそろ後期授業始まるんじゃなかったっけ?

ほどほどにして寝なさいよー」


「はーい……」