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「………っ……」
誰かが呼ぶ声。
────真……? 私を助けにきてくれたの?
ゆっくり目を開けると………泣きそうな顔で私を覗き込む……あなたは、誰?
真じゃ、ない………
「ここ……」
「トーコさん……トーコさん……? 分かる?」
ぼんやりと周りの光景も音も戻り始め───あぁ、そうか。
「郁生…くん……? あたし……」
あたしの声に、はぁっ…と息をついた郁生くんが、あたしをギュッと抱きしめた。
……ずっと望んでいた、この感触。
ほっとする香り。
「びっくりした……呼吸がおかしくなって、意識もなくなって……それで……」
まるであたしが生きているのを確認するみたいに、強く強く抱きしめてくる。
「………」
込み上げてくる恋慕に、彼の背中へ腕を回してしがみつこうとすると、
───郁生くんは、はっとしてあたしの身体を離した。
「───ごめ……心配で、思わず……」
「……郁………」
あたしが離れていこうとする手を掴もうとした、その時────

