帰りの電車の中で、あたしは窓の外に流れる景色を見ながら、
ごちゃごちゃの頭を抱えていた。
………まだまだ“澪”に囚われて、
どうにもならないこの想いをなくすことが出来ずに、もがいているあたし。
それとも───例えばこのまま雄仁と一緒にいたら、
そのうちそれが当たり前になって、
いずれ……“好き”って気持ちに変わったら、
前世(カコ)に──紅い夢にも、黒い影にも──悩まされなくなるの?
なんて……
「はぁ………」
そんなことを一瞬でも考えてしまった自分に、嫌気がさす。
雄仁は……確かにあたしの中で、男女を超えて、他の人とは違う……特別な気がする。
それは確か。
だけど……どんな自分でもいられる、気を許せるような“信頼感”であって、きっと“愛”とは違う。
──『ちゃんと終わらなきゃ、次が始められないから』──
「どうやったら、終われるんだか………」
深いため息を見送って、あたしは頭の中に浮かんだ笑顔を散らすように、ぷるんと首を振った……

