抱きしめられたあたしに、伝わってくる鼓動。
感じる、確かなぬくもり。
全てが愛おしいのに……
「“二度あることは三度ある”ってさ?
それじゃ、いつまで経っても、何も変わらないから。
俺達が自分の想いに正直に振る舞ったからって、誰かが血を流すような時代じゃないけど……
それでも、傷つく人はたくさんいる。
トーコさんも……傷つく」
「…………」
『嫌だ』って言いたい。
『行かないで』って、引き止めたい。
────でも……
「………わかった」
あたしは、震える声を隠したくて、短く一言だけ答えた。
なのに……。
言葉と共に、涙が溢れてしまった。
───お願いだから、気づかないふりして。
そう思ったのに………

