逢いたい~桜に還る想い~


絡めた腕に頬を寄せ、その指先を求めると、

少しだけ躊躇して……それでも、遠慮がちにそっと握り返してくれた郁生くんの手のひらに、

心が熱くなって、涙が出そうになる。


そう、このぬくもり……


花見で、転びそうになったあたしを助けて、手を引いてくれたあの時から

───もう、“特別”だったのかもしれない。


あの時すでに、あたしの心はあなたに繋がれていたんだ……




「『怒る』って言ったじゃん……」


「うん……」


「……離れたいんだってば……」


「うん……さっき聞いた……」


「……なんで……気づかない振り、してくんないの……?」


「酔っ払いだから、かな……?」


「………ばか……」



そんな会話を交わしながら、頭の中にふと、
───澪と真のことが、浮かんでいた。