格子から月を眺めることしかなかった外の景色は、春めいていて、
いつか真と馬で駆け巡り、お花見をした思い出を蘇らせる。
遥か遠い誓いを、呼び醒ましてしまった、あの日………。
「────………」
もしかして…………
私は、急に手綱を引き、進行方向を変えた。
驚いた吹雪と苗の声が後ろから追いかけてきたが、構ってなどいられない。
柏原の家の場所は分からないが、行ったところで真がいるはずはない。
ならば………。
一つの可能性に、手綱を握る手に力がこもる。
賭けてみよう───行き先は、
私と真の故郷。
あの、桜の咲く泉へ────

