実は、この情報の半分は、晴虎殿から得ていた。
寡黙なあの人が口を開いたことは、驚きだったけど……。
私に恩を売っても仕方ないだろうに……
私に騒ぎを起こさせて、国へ強制的に追い返そう、という算段なのだろう。
───ああ、そんなことはどうでもいい。
私だって、もう久我の館へ戻る気などない。
この四年の月日、私には何もなかった。
失った恋、失った家族、失った故郷、
失った名前、失った感情、失った幼き幸せな日々、
───失った、愛しいあなた………
ただ息をするだけの日々、叶うかどうかもわからない未来(さき)の世を夢見て過ごしてきた。
いつまでも色褪せることのなかった、この想いを抱えたまま………

