「郁生くんは───優しいから、 ……口には出さなかったのかもしれない。 でも………」 『でも………?』 「あたしが、記憶を取り戻したこと…… なかったことにしようとした。 ───もう、あの時のこと、 思い出したくないのかも知れない……」 あの時、二人の道が、もう一度交差しなければ、 今生(イマ)が違うものになっていただろうか。 それとも、やはり……… こうして繰り返し罰を受けることが、 定められた運命なのだろうか………