そんな折───この館へ、初めての来客があった。 私の記憶より少し歳を重ねた、杏姉様………。 母上を殺したあの件を境に、隔てられていた姉妹の縁。 無論……和やかな会話になる筈などなく、 久我家での私の近況や、姉様の嫁ぎ先での生活や子供らの話を少しばかりして、 気遣いの言葉も、次の約束の言葉もなく、 姉様は帰っていかれた。 戯れにしては違和感が拭えず、妙な不信感が募った私。 珍しく館の中を歩き回って、 ───偶然聞いてしまった、侍女達の噂話。