逢いたい~桜に還る想い~


そう……私達は、四年経った今でも、“夫婦”ではなかった。


押し付けられた厄介者を、
しかも生ける屍のような面白みのない女を、

妻として扱う気にも、
女として抱く気にもならないんだろうけれど……。


ならば、泊まらずに、何人かいるはずの可愛い側室の許へ帰ればいいのに。


正室の所に行かなければ、お館様や回りの目があるからという、保身の為なのだろう。



薄い寝衣(シンイ)に少し身を震わせ、私はもう一度月を見上げた。


………折れそうなほどに、細い銀色の月。


私も、あの月と同じように、心が細ってしまった。


四年間、眠れぬ夜に月を見上げては、心に思い描くことはいつも同じ。


────真………


遥か昔、桜の下で誓ったあの時の約束……


生まれ変わることの出来た今生のように、

もし来世でもう一度出逢い、愛し合うことが叶えられるのなら、


あぁ、……朔日(サクジツ)の月のように、早く消えてしまいたい………