鳴り出したケータイに───あたしは、体を起こした。 枕の横に放り投げたケータイのディスプレイが、 電気を点けていない真っ暗な部屋で、静かに光る。 今は、誰とも喋りたくない……。 そう思いながら、ディスプレイを覗き、 ──『真鍋 瑤子』── その文字を見て、あたしは通話ボタンを押した。 「もしもし……?」 『あ。もしもし、トコ?』 「うん……」