あたしは頭を抱えながら、なんとか体を起こし、
───助手席から顔を覗かせる郁生くんと、瞳を合わせた。
「………なに?」
「聞きたいこと……いっぱいある」
「…………」
「間違いって……後悔って、なに……?」
公園の駐車場の街灯しかない暗がりの中で、
郁生くんの瞳が、微かに揺れたのは……見間違いではないと思う。
「───周囲を裏切ってまで、この想いを貫いたこと?
桜の中で誓ったこと……?
死を……選んでしまったこと……?
また出会ってしまったこと……?
それとも………」
「…………」
「この……“愛しい”と想う気持ち自体が、間違………」
「───トーコさん!」
少し険しい声で、あたしの言葉を遮った郁生くん。
いつもの彼とは違う語気の強さに、
あたしが口をつぐむと……静かなトーンに戻って続けた。

