★ ★
………ヤバイ……どーしよ……見られた……
あたしは、まだ真っ赤であろう、火照ったほっぺに手を当てた。
あれ、……反則!
郁生くんのバカ!!
頬を挟まれた瞬間───ボッ!と顔に火がついたのが分かった。
恥ずかしさと、恋しい気持ちと……昨日の瑤子ちゃんとの会話と……
色々なものが混ざって半泣きになりそうなのを、辛うじて堪えたけど。
マズイ………さっきの郁生くんの、少し驚いたような瞳。
絶対バレたに違いない。
「………トーコさーん……待ってって………」
後ろから、郁生くんの追いかけてくる声が聞こえる。
当然「待って」と言われたからって、足を止められない。
「ねー……トーコさーん」
「───瑤子ちゃんに! ……怒られたの!」
「えー?」
あたしは───とっさに、嘘をついた。

