「郁生くん……もう、分かってるの……？」
「え？」
「あたしの気持ち………」
「え？ ……ていうか……あれ？」
「もしかして……お父さん、お母さんも……！？」
「あー……それはない」
あたしがほっ…と安心したように息をつくと、
「トコ……郁、何も言ってないの？」
「………何を？」
「それで、辛いのかと………」
瑤子ちゃんと会話が噛み合わなくて、
「？？」となっているあたし。
「辛いって………“彼女”のこと？」
「────えぇっ！？ 郁、彼女いるの！？」
瑤子ちゃんは、かなり驚いたように声を上げ、目を丸くした。
そんな瑤子ちゃんの反応に、あたしはちょっと圧倒されながら、
「直接紹介された訳じゃないけど……郁生くんが、名前は教えてくれたの……同じクラスのコだって…。
……前に、彼女？って聞いた時、別に否定しなかったよ？
そのコのこと、下の名前で呼んでたし……」
