しかし…… 「えーと……郁生くん?」 「……え?」 郁生くんの荷物を、2階の空き部屋に運ぶ手伝いをしながら、 「大丈夫なの?」 と、あたしは心配気に話を振った。 「なにが?」 「いや……もー……いろいろと……」 こんな姉で、ごめんね…てか、 両親が外国行っちゃって、不安じゃないの?…てか、 今まで住み慣れた街を離れて、うちに下宿って 大変じゃない?…てか……。 「あぁ……」 郁生くんが納得しながら、全部に答えてくれた。