★ ★ 『────みお………』 いつもより、少し低く深い声で呼ぶ、名前。 その唇で、髪に愛おしそうにキスをする。 ─────………… あたしの頭はパンク寸前で………金縛りに遭ったように動けない。 郁生くんの指先にからめられた髪の毛に、 心臓が移ってしまったんじゃないかと思うくらいドキドキして。 息をするのさえ、忘れてしまいそうな………。 ────どれくらい、時が経ったのか、分からない。 きっと、ほんの数秒だったのかもしれない。 ………弾かれたように、───郁生くんが、起き上がった。