逢いたい~桜に還る想い~


「……………ぉ………?」



スタンドの薄明かりの中───微かに聞こえる声。



あ……起こしちゃったかな…?


部屋に入っちゃったこともあって、

あたしはちょっぴり焦りつつ

「ブレザー、持っていくね」と声を掛けようとして、枕元に近づき……




「…………み………お……」



え───……


郁生くんの口から零れた意外な名前に

───固まってしまったあたし。


だって、今…………



ブレザーを胸に抱きしめながら、凝視するあたしの髪に、

郁生くんの手が伸びてきて、触れた。


そして、その一房を優しくすくって────




その先に………


……そっと、キスをした…………