───郁生くんの部屋のドアの隙間から、明かりが漏れている。
音楽も聞こえてくるから、恐らく部屋にいるのだろう。
あたしといえば………、
まだ声を掛ける気にならなくて。
取りあえず、先にお風呂に入ってしまおう。
さっぱりして、気持ちが落ち着いてからにしよう……と心に決めて。
お風呂の準備をすると、まるで猫のように音を立てず、1階へ降りていった。
………湯に浸かってあったまると、心が和む。
日本人で良かった、と思う瞬間。
お湯を手の平ですくいながら……今日一日を思い返す。
───きぃこにも、カナエにも、軽く反対されちゃったけど。
一人暮らし……本気でしたいなー……なんて。
香子おねーちゃん、一体いつ帰ってくるんだか、分からないし。
この生活が、どれだけ続くんだろう………て。

