「………あたし、……一人暮らし……したいなぁ……」
今日の授業内容を聞いている途中に、
急にそんなため息をもらしたあたしに、二人が目を丸くする。
「どしたの?」
「……なに? 急に??」
口から思わずこぼれてしまったつぶやきに、あたしは内心あせってしまった。
「なに? 柊子、親とうまくいってないの?」
「あ……いやー、就職も見据えて、自立……なんて。
ホラ、うちは姉二人とも、もう家を出てるしさ?」
「あー……でも、一人暮らし、お金かかるよー?
柊子みたいに全然自宅から通える距離だと、親も認めないか、援助してくんないんじゃないの?」
「そうだよ。甘えられるうちはさ、実家がいいって。
洗濯から食事から、ホントめんどくさい!
具合悪くっても、代わってくれる人、いないしねー」
一人暮らし組の二人に、こぞって反対される。
理由を伝えられないあたしは、「ソウデスヨネ……」としか、答えられず……
午後のゼミでも、失敗したり、注意されたり、
バイトでも、生徒に間違いを指摘されたり───
今日は一日散々だったのであった……

