「午後のゼミは、ちゃんと来なよね」とクギを刺され、
「はぁい……」とちっちゃくなるあたし。
ほんと、自分で言っていても“ナニソレ?”だよ。
二人から雄仁のような鋭いツッコミはなかったものの、
……いちいち動揺している自分が悲しくなる。
お財布の中にしまった、金色のボタン。
あたしを射るように見ていた、あのコの瞳。
授業受けて、バイト終わったら、また家に戻らなきゃいけない、
……顔を合わせなきゃいけない現実。
ナイトウォークの夜のように、逃げ出したい気持ちに駆られるも、
『予定変更の電話、かけてこないでね』
郁生くんとした約束が、頭をよぎる。
───授業サボっちゃったのは、ささやかな現実逃避。

