逢いたい~桜に還る想い~


顔立ちは、……うーん、おねーちゃんの旦那様によく似てるのかな?


シャープな顎のライン、すこーしだけクセのある黒髪、
切れ長な目は、クールで大人っぽい印象に見える。


スラッと細身で華奢な体型なので、その顔立ちと相まって、
ちょっぴり中性的な雰囲気を醸し出している。


……てか、イマドキの子って、脚ながっ!顔ちっちゃ!


なぁんて、おばさんっぽいことを考えてしまう。


いや、実際に“叔母さん”なんだけどさ……。



───最後に会ったのは3年前の正月。


その時はあたしは高2で、郁生くんはまだ小6だった。


次の年は、あたしが受験生だったし、

郁生くんも中学生になり、部活が忙しくなったのと、
おねーちゃんが翻訳だけじゃなくて通訳の仕事も始めたのとで、

しばらく里帰りしていなかったのだ。


この背の高さなら、中学バレー部で活躍したことだろう。


あたしの中にある、
『トコちゃ~ん!!』ってかわいい声であたしを呼んでいた、
幼い“郁ちゃん”の面影はどこへやら。


あたしのこと、『トーコさん』とか呼んじゃってさ………