診察が終わり、病院近くのファミレスにいた。

診察室から出てママは前よりも表情が険しくなった。

待っていたパパにも手短に話していた。

それからみんな、笑い方を忘れたかのように、ポーカーフェイスだった。

メニューを言う時以外、言葉なんてはっさなかった。

そんなピリピリの空気を裂いたのはママの一言だった。

「ふうちゃん…落ち着いて聞いてね…」

私は深くうなずいた。

なにを言われるかぐらいわかっていたから覚悟はできていた。

「もうすぐ冬休みじゃない?で…冬休みに入院して手術することになった。」

しゅ…………

手術…………

出てきた言葉は想像を超えるものだった。

「な…なんで手術………」

「手術っていうか、先生は処置って言ってた。」

でも。

それは手術とかわりなかった。

詳しく言うと…

ちっちゃい頃から便秘ぎみでそれが病気として大きく症状が現れた。

救急で運ばれた時、レントゲンを見てドクター達の表情が険しくなったのは、見たこともない症例だったから。

その時、お腹には胎児の頭サイズの便がお腹にたまっていた。

小2の体には普通、耐えられないのでは。

ほっておくと死に至る可能性も十分ある…

と、緊急処置をすすめられ処置と名の手術をすることになった。

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今日は12月24日。

手術の宣告をされて一週間。

この日は終了式だった。

クリスマスー♪

なんて言ってる場合はなかった。

ケーキを食べて一夜を過ごせば、私は、入院患者となってしまう。

終了式で校長先生が……

「楽しく安全にすごしてくださいね。」

という決まり文句でさえ私を不安にさせた。

大好きな愛奈ともしばらく会えない……


「はぁ……」

深くため息をつきあっと言う間に不安だらけのクリスマスが終わりの時間を迎えたことにきずいた。

「明日だ……」

その日は確か満月だった。

いつもより綺麗に見えた。

そんな綺麗な満月にクリスマスプレゼントではなく。

クリスマスのお願い事をした。

どう考えても病気にならなかったら小2のうちにはこんな事考えられなかったと思う。

「神様……私に……」

私はぎゅっと目をつぶりあわせて握りしめる手の力を強めた。

「元気な体をください。病気を治してください。」