「あの…。」
円ちゃんが口を開いた。
「私は、別に出なくてもいいです…。」
「え?」
皆が驚いて円ちゃんを見る。
「その、先輩達はこれが最後の大会なので、先輩が出た方が…。」
順当な考えだった。先生が、ホワイトボードに「有日」と書いた…と思った、その時だった。
「待って下さい。私は、円ちゃんが出た方がいいと思います。」
「な、何言ってるんですか、先輩。最後の大会なんだから…。」