「ちょっと慧、廃部って何…?」
「知らなかったのか、愛?」
「知らないも何も、今初めて聞いたわよ。」
愛さんは動揺を隠せていなかった。
「先生が言ってたんだけど、次の大会で優勝できなかったら、廃部になるらしいんだ。まあ、俺の財力を使えばどうにかなるとは思うけど、使うまでもねーしな…。」
その瞬間、乾いた音が辺りに響いた。
愛さんが、慧さんの頬をはたいた音だった。
「どういう意味よ!?」
「な、何がだよ…。」