探×査×系×女×子

傍で見ていた私には、最初はその行動の意味が理解できなかった。
「志井さん…?」
志井さんが、愛さんを抱きしめた。
「言わなくても分かりますよ、言いたい事は。」
「志井さん…。」
「私の方こそ、お礼を申し上げたいくらいです。」
「え…?」
「私は、あのおかげで色々な事を知ることができました。思えば慧様に仕えてばかりいた私には、知らない事が多かったようでございます。この志井樹(シイ・タツル)、心よりお礼申し上げます。」
「志井さん…。」
そこには、普通とは少し違った親子の姿があった。