「だから、慧に会った人は皆、学会組に入っちゃうの。慧のそういう所に惹かれてね。これが、アリ地獄の正体。まあ、私は入らなかったけど。」 「何で…?」 「見逃してくれたの。私だけ。」 「見逃してくれた…?」 「昔からの友達だからって。」 「昔からの…友達…。」 「昔からの友達」。重みのある言葉だった。