「あ、見て!」
「ん?」
愛さんが指さす先には、まばゆい朝日があった。
「キレイ…。」
「だね…。」
朝日は赤く街を照らす。廃墟が赤く輝くこの光景を「キレイ」と言うのは、不謹慎ではないか、と思うが、それでもやっぱり、この光景は「キレイ」としか言えなかった。
「また…元通りの街で朝日を見られるよね…。」
きっと見られるだろう。それがいつの事になるのかなんて、分からないけれど。