聞き間違い…ではなかった。
「え?だって、博士が…。」
私の言葉を遮って、愛さんが言った。
「騙されたのよ。」
「騙された…?」
「優ちゃん、ちょっと見させてね。」
そう言うと、愛さんは私に赤外線を当てた。
「やっぱりね…。」
「何が…?」
「これ、見てくれる?」
愛さんは、左手についていたディスプレイを私に見せた。
「ほら、ここ。」
ディスプレイには、うんざりするほど長い数式が映されていた。
「いや、あの、ここって言われても、まずこれが何なのか…。」
「優ちゃんのOSのプログラム。で、ここを見て。」
愛さんが指さす文字を、私も見てみた。そこには…。