私達はついて行った。
「ほら、あっち。」
隣で指さす先には、二人の人影があった。
「あ…慧~!優ちゃ~ん!お父さ~ん!」
愛さんの声だった。という事は、もう一人は先生だろう。
「愛!」
慧さんが愛さんの方へと走り出す。私達も後を追った。
「ちょっと待ってよ、大江君。この有日淮さんには、あんまり体力が無いんだから~!」
情けなく弱音を吐く淮さんを尻目に、私も走り出した。
「ああ、飯尾さんまで…。待ってくれよ~。」