「なかなか勝負がつかねーな…。」
慧さんがつぶやく。今の得点は十四対十四。延長戦でも、私達剄央と海星との点差はつかずにいた。
「ここで決めるぞ、皆。」
海星は、この現状を前に団結を固めた。
「何言ってるんだ。勝つのは俺達だっつーの。」
聞こえていたのか、慧さんが反撃した。
「…絶対勝つぞ、優、愛。」
慧さんが言う。何も言わなくても、私達は分かり合っていた。これを「以心伝心」と言うのだろう。
「あの…そろそろ続きを始めますよ?」
「あ、司会者さん、すいません…。」
「ちなみに、ちゃんと脇益っていう名前があるんですけどね…。」