差がつかないまま迎えた、十問目。
ここまで、お互いに全問正解。ここで解答が割れれば、これが最終問題となる。
「第十問。南アメリカ共和国の内部にある国はレソトですが、その首都名は何と言うでしょう。」
私は電子フリップに「マセル」と書いた。
「へ~、マセルっていうんだ…。」
聞こえるか聞こえないかの音量で、愛さんが言った。
「馬鹿、聞こえたらどうすんだ!」
慧さんも、聞こえるか否かの音量で愛さんを叱った。
「ごめんごめん。でも、多分海星も同じだと思うよ。」
見ると、海星のメンバーは余裕綽々の体だった。