「慧、分かる?」
「分かってたら今頃は書いてるっつーの。」
「な、何よそれ…。」
私以外、分かっている人はいなかった。二人が小競り合いをしている間に、私は「メガネウラ」と書いた。
「それでは、解答をチェックしてみましょう。解答、オープン!」
私達の目の前に用意された、いつかの巨大ディスプレイに、私達と海星の解答が同時に表示された。
「同じですね…。」
海星の薙ちゃん(本当は年下ではないかもしれないが、とりあえずこう呼ぶ事にする)のかすかな声は、私の耳に届いていた。