「薙ちゃん、今は集中しないと。」
海星の別の人が、薙という人に話しかけていた。
「あ、諸星くん、ごめん…。」
「とにかく頑張ろうな、薙。」
「はいっ、お兄ちゃん。」
改めて見ると、海星はかなりまとまりがある。チーム戦のこの競技では、重要な要素だ。
「全国から集まった猛者達の頂点が、今ここで決まります。第五十回ハイスクイズ、決勝戦ー!」
司会者の言葉で、会場が少しだけ明るくなった。そして、観客達は一斉に拍手をした。
私達の最後の戦いが、始まった。