「ぷっ…。」
慧さんが、こらえきれなかった笑いを放出させた。
「お前、愛より緊張してるじゃねーか。別に今が本番でもないのに、そんなところで言葉に詰まるとか…。」
「ちょっと、優ちゃんに失礼でしょ?」
別に何とも思っていなかった。いや、幸せな時間を過ごせているというこの現状が、とてもありがたいものに感じられた(本当は緊張していたのかもしれないが、これが表向きの理由だ)。
「よし、行くか。」
「うん。」
「先生、お土産は私達が取ってきますからね。」
「分かったわ。応援してるわ、皆。」
先生の一言に背中を押され、私達は決勝の会場へと足を運んだ。