「私達…準決勝に進める事になったの。」
「え…?」
にわかには信じがたい言葉だったが、こんな状況で嘘を言うとは思わない。しかも先生なら、なおさらだ。
「ど、どういう事ですか…?」
「あの時対戦した舟箸高校が、カンニングペーパーを持ち込んでいた事が分かったの。」
「カンニングペーパー?」
聞き返したのは私だった。舟箸の三人は、クイズ中に紙なんて見ていなかったからだ。
「別に見てたっていう事じゃないんだけど、何かの拍子に紙がポケットの中に入ってたみたいなの。これでも、不正行為でしょ?」