探×査×系×女×子

「お、俺は大丈夫だけど、志井…。」
「私の事は気にする必要はありませんよ…。」
「で、でも、血が…。」
よく見ると、志井さんの白いワイシャツの腹の部分が赤く染まり、それを志井さんは痛そうに押さえている。
「私は大江家に仕える一執事として、任務を成し遂げただけです。それより、戻らなくていいのですか?お二方がお待ちですよ。」
「で、でも…。」
「車の運転くらいはできますし、時がたてばこの傷も治ります。さあ、行きましょう。」
志井さんは、車の方に向かって歩き出した。平静を装って、腹を押さえる事もなく。