「慧さん。」
「もしもし、俺だけど。志井か?」
「慧さん!」
私は慧さんを止めようと、携帯を持つ慧さんの右手を握り締めた。
「あ?何だよ?」
私は、あの三択クイズの時に使われたステージを指さした。そこには…。
「関東ブロック・敗者復活戦開催!」
の文字が、はっきりと書かれていた。
状況を飲みこんだのか、慧さんは電話を切った。
「…悪い、志井。今の話は、なかった事に…しといてくれ。」